業務マニュアルのスクショ加工術
番号・枠線・墨消しの実務手順

手順書に貼った画面写真が「結局どこを見ればいいのか分からない」と言われたことはありませんか。原因はたいてい、加工の技術ではなく順番です。

マニュアルのスクショが分かりにくくなる3つの理由

業務マニュアルに使う画面写真がうまく機能しないとき、原因はだいたい次の3つに集約されます。

  1. 画面全体を撮ってしまっている:1920×1080の画面をそのまま貼ると、A4の紙面では文字が小さくなりすぎて読めません。読み手は「どこを見るのか」を探すところから始めることになります。
  2. 指示語が画像の外にある:本文に「右上の設定ボタンを押します」と書いてあっても、画面写真の中に目印がなければ、読み手は自分の目で探さなければなりません。
  3. 隠すべき情報が残っている、または隠しすぎている:顧客名が写ったまま社外に出てしまうのは事故ですが、逆に画面の大半を黒く塗ってしまい、何の画面か分からなくなっているマニュアルもよく見かけます。

この3つは、加工ソフトの機能を覚えれば解決するものではありません。「撮る範囲を決める → 隠す → 指し示す → 大きさを決める」という順番を固定するだけで、ほとんどが解消します。以下、その順番に沿って具体的な手順を書きます。

手順1:撮る前に「範囲」を決める

いちばん効果が大きいのは、加工ではなく撮影範囲の判断です。手順書の1コマで説明したいことは、たいてい画面の一部だけです。

WindowsであればWinキー+Shift+Sで範囲を指定して撮れます。macOSならCommand+Shift+4です。全画面を撮ってからあとで切り抜くこともできますが、撮る時点で範囲を絞ったほうが、あとの工程がすべて軽くなります。

範囲を決めるときの目安は「操作する対象+その位置が分かる手がかり」です。ボタンだけを切り出すと、それが画面のどこにあるボタンなのか分からなくなります。ボタンと、そのボタンが所属するパネルやタブの見出しまでを含めると、迷いにくくなります。

撮り忘れた場合や、あとから「もう少し狭くしたい」と思った場合は、カクスルの「切り抜き」で残したい範囲をドラッグすれば同じことができます。切り抜いても、すでにかけた墨消しや注釈の位置はずれません。

手順2:隠す(注釈より先に)

順番として、隠す作業は注釈より先に行ってください。理由は単純で、あとから隠すと、せっかく置いた矢印や番号の上に墨消しが乗ってしまうことがあるからです。

カクスルでは墨消しが常に注釈の下に描かれるようになっているため、この事故は起きませんが、他のソフトを使う場合はこの順番を守ったほうが安全です。

何を隠すかは、その資料が誰の手に渡るかで決まります。社内限定の手順書と、クライアントに納品するマニュアルでは基準が違います。実務でよく対象になるのは次のようなものです。

最後の項目は見落とされがちです。画面の隅に業務と無関係な通知が写り込んでいるだけで、資料の印象は大きく変わります。

隠し方は用途で使い分けます。氏名や口座番号など「絶対に読まれてはいけないもの」は黒塗りです。「実データではないと分かればよい」程度のものは、モザイクで十分なことも多く、そのほうが画面の構造が残るぶん読みやすくなります。この違いについてはモザイク・ぼかしは復元できる?で詳しく説明しています。

手順3:番号バッジで「見る順番」を作る

マニュアルの画面写真でもっとも効くのが番号バッジです。本文の手順と画像内の番号が一致していれば、読み手は本文と画像を交互に見るだけで作業できます。

コツは、1枚の画像に置く番号を3つまでに抑えることです。4つ以上になったら、その手順は分割したほうが読みやすくなります。番号が5つ並んだ画面写真は、たいてい「その画面でやることが多すぎる」というサインです。

番号を置く位置にも決まりを作っておくと、資料全体が揃います。おすすめは「操作対象の左上に、対象へ少しかぶるように置く」です。離しすぎると何を指しているか分からなくなり、真上に重ねると対象が隠れます。

カクスルでは「番号」ツールを選んでクリックするたびに、①②③と自動で番号が増えます。次の画像に移るときは「番号を1に戻す」を押せば、また1から始められます。

手順4:枠線と矢印は「番号で足りないとき」だけ

番号バッジを置いたうえで、さらに範囲を示したいときに枠線を使います。たとえば「この表の3行目から5行目を見てください」のように、点ではなく領域を指す場合です。

矢印は、画面の外から中を指すとき、あるいは離れた2箇所の関係(ここを押すとここが変わる)を示すときに使います。番号バッジで足りる場面で矢印を使うと、線が画面を横切って読みにくくなります。

色は資料全体で統一してください。赤系1色に決めておけば、読み手は「赤い印は注目すべき場所」と学習します。色を意味づけずに使い分けると、かえって混乱を招きます。

文字を入れる場合も同様です。画像内に長い説明を書き込むのは避け、「ここをクリック」程度の短い語にとどめて、説明は本文に書きます。画像内の文字は、あとで文言を修正したくなったときに直しにくいためです。

手順5:書き出しサイズを揃える

最後に、資料に貼る画像の横幅を揃えます。バラバラの大きさの画像が並んだマニュアルは、それだけで読みにくく感じられます。

目安として、A4縦の文書に本文幅いっぱいで貼るなら横1,200px前後あれば十分です。段組みの中に貼るなら600〜800px程度。画面いっぱいのスクリーンショットをそのまま貼ると、文書ファイルのサイズも無駄に大きくなります。

カクスルの「サイズ」では、長辺のピクセル数か倍率のどちらかを入力すれば、書き出す大きさを変えられます。元の画像を書き換えるわけではないので、あとから元の大きさに戻すこともできます。

ファイル形式の目安:画面のスクリーンショットはPNGが適しています。文字の輪郭がぼやけません。写真が中心の画像や、ファイルサイズを小さくしたい場合はJPEGまたはWebPを選び、画質を80〜90%程度にすると容量と見た目のバランスが取れます。

まとめ:1枚あたり1分で終わらせる

ここまでの流れを実際の操作に落とすと、こうなります。

  1. Win+Shift+Sで必要な範囲だけ撮る
  2. カクスルのページでCtrl+Vを押して貼り付ける
  3. 黒塗り/モザイクで隠す
  4. 番号バッジを1〜3個置く
  5. 必要なら長辺を1,200pxに揃える
  6. Ctrl+Cでコピーして、資料にCtrl+Vで貼る

慣れれば1枚あたり1分もかかりません。複数の画面をまとめて処理したい場合は、スクリーンショットを何枚か続けて貼り付けておき、下のフィルムストリップで切り替えながら加工して、最後に「すべて保存(ZIP)」で一度に書き出すこともできます。

そして最後にひとつ。加工した画像を資料に貼ったあと、元のスクリーンショットのファイルが手元に残っていないか確認してください。加工前のファイルを間違えて添付してしまう事故は、加工の失敗よりも実際には多く起きています。

カクスルでスクリーンショットを加工する 貼り付け → 隠す → 番号を置く → コピー。画像はブラウザから出ません。

最終更新:2026年08月12日